日産のオプションナビで現在のモデルでスタンダード・プレミアムのナビを選択して新車を購入すると、NissanConnect という通信サービスがついてくる。10年無料でソフトバンクの通信モジュールをつかった通信サービスが使えるらしい。
で、ちょっと調べてみたら意外と遊べそうなことがわかったので、軽く触ってみた*1。
NissanConnect の登録
これがめっちゃわかりづらかった…
N-Link OWNERS という、オーナー向けサイトに登録*2すると、概ね必要なサービスは使えるようになるようなことが書いてあったが、実はこれだけでは不十分だった。
どうやら、N-Link OWNERS のログイン情報で、以下の2種類のサービスをそれぞれ提供している、という感じなのだと思う。
- 通信系サービス
- 過去 CARWINGS と呼ばれていた情報サービス
- SNS連携かけたりとか、チャンネルを編集したり、Google Maps から送信したりといった機能が使える
- アプリサービス
- 専用アプリを使ったリモートロック・位置情報取得などのサービス
前者は、N-Link OWNERS マイページに表示される「Navi Information」にある「NissanConnectサービス メンバーサイト」のリンク。これをクリックした初回遷移時、ユーザー登録を求められるので登録する。これで通信サービスのSNS連携かけたりとか、チャンネルを編集したりといった機能が使えるようになる。
で、後者はこのリンク。こんなんわからへんわーい! このリンクから情報を登録して、カーナビからログインすると、ようやくアプリの方からログインができるようになる。
いずれのリンクも、納車後しばらくしてから表示されたので、ない場合はちょっと待ってみるかディーラーさんに問い合わせかと思います*3。
時が止まった CARWINGS-CASTING…しかしまだ生きている…?
今回は前項で紹介した、前者の「過去 CARWINGS と呼ばれていた通信系サービス」を触っていく。
この機能を雑に言うと「自動読み上げRSSリーダー」という感じ。日産自体が提供している様々な情報チャンネルの他に「インターネット情報チャンネル」として、任意のRSSを登録できるようになっている。また、RSS2.0に対して独自拡張がなされた CARWINGS-CASTING という仕様があり、これをつかうことでナビに表示させる画像を指定したり、目的地の座標を指定することができるようになっている。
過去、Mashup Awards にも協賛したりして普及を図っていたみたいだが、開発者向けサイトは2010年で更新が止まっており、実装確認するシミュレータも Google Maps の仕様変更に追従されていない・Mixed Content 対策もされていない、という感じで使えない状態になっているなど、「時が止まった状態」と感じた。
にもかかわらず、2018年の最新型ナビにまでこの機能が残っているというのは逆に驚き…。
CARWINGS-CASTING の実装
今回は、CARWINGS-CASTING をつかってサービスを実装してみた。
仕組みとしては以下のような感じ。だいぶシンプル。詳細は先に挙げた仕様書を参照。
- カーナビ側からリクエストを発行すると、情報センターを経由して登録された URL に対してアクセスがある。
- このとき、GET パラメータでナビの現在座標、目的地の座標、経由地の座標、進行方向、速度といった情報が送られてくる。
- サービスサイトからの登録時などはパラメータが空の状態でリクエストが走るので、想定しておく必要がある。
- 必要に応じて、パラメータを使いながら CARWINGS-CASTING 形式の RSS2.0 を返す。
NissanConnect への登録
実装が終わったら、N-Link OWNERS の「NissanConnectサービス メンバーサイト」に入り「インターネット情報チャンネル」から URL を登録することでカーナビから見えるようになる。
試しに、現在位置付近のさわやかの待ち時間情報がわかるものを実装してみた*4。
NissanConnectに最寄りのさわやかの待ち時間しゃべらせるやつできた pic.twitter.com/i1sU79ViJY
— いせ (@iseebi) 2018年12月26日
W-SIMとかで通信やってた時代 から存在していたものの、スマートフォンでの情報取得がメインとなった現代でこれがうまいこと使える場面を探すのが難しい気がする…けど、面白いネタがあったらまた触ってみようと思う。